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初めての在宅ワークで新しい景色が見えた

5月25日で緊急事態宣言が解除となる。
今から憂鬱だ。いや、5月頭からずっと憂鬱だった。もう少しでこの夢のような生活が終わっちゃうんだ、と。

私が勤める会社は4月頭から完全在宅ワークとなった。都内のデザイン事務所なのだが、普段から在宅作業も出来るようにオンラインツールを駆使する会社なので、ほぼ瞬時に在宅体制となった。
社内の打ち合わせや情報共有は主にSkype、Googleスプレッドシートなどを使って行われたが、それ以外業務の内容は普段とあまり変わらなかった。

労働時間は増えた。でも…

これはたまたまなのだが、在宅ワークスタート直後から沢山お仕事をいただけたので残業時間が増えた。
「通勤してた時より働いてるじゃん」
と、妻にはぼやかれたが、こんな時期でも仕事を沢山いただけるのはありがたい事だ。
しかし、労働時間が増えて私は不幸になったのかというと、そんな事はなかった。

なぜかQOLは爆上がり

何故かは分からないが、在宅ワークになってから私のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は爆上がりしたのだ。
とにかく心に余裕が生まれた。労働時間はコロナ前より増えたにも関わらずだ。
ゲームをやったり、プライムビデオ鑑賞する余裕も出来た。

いかに通勤時間が負担だったか

なぜ私のQOLが上がったか。
その原因は考えてみると一つしかなかった。

労働時間は変わらない(むしろ増えた)。
生活リズムも変わらない。
何が変わったか。
通勤がなくなった。
そう、通勤がなくなっただけなのだ。

私は千葉の田舎から東京まで、片道二時間かけて通勤している。ちょっと遠すぎだが、首都圏のサラリーマンとしては決して珍しくはない通勤時間だと思う。
しんどいっちゃしんどいが、20歳で上京してからずっとこういう働き方なので、特にストレスも疑問も感じてなかった。

ところが、これがいざなくなってみると、目の前に新しい景色が開けてしまったのだ。

よく通勤時間は無い方が良いとか、自宅から30分が理想とかいうが、あれは本当だった。

「通勤が無い」
たったそれだけでこんなに生活の幸福度が上昇するとは全くの想定外だった。

新しい働き方を発見してしまった

そんな訳で私は今、ずっと在宅で働きたいと願っている。

考えてみればデザインの仕事なんて在宅で十分出来る。
対面で会話した方が早い時は、Skypeやzoomでビデオ通話も可能だ。

今後も在宅社員が続けられたら、こんな最高な事はない。

しかしコロナが収束後にそんな働き方を選択出来る人は、ごく一部だろう。

「アフターコロナは企業のオンライン化が求められる」だとか、「もう元の社会には戻らない」だとか、そんな世論がネットには溢れているが、人間なんてその時その時の雰囲気に流されて生きているので時間はかかれど元の世界にシレッと戻っていくと私は思う。

みんな嫌だなあと思いながらも、雰囲気に流されて、“私は流されたくない”とも言えず、あの時間ギチギチに使った働き過ぎ社会ニッポンに巻き戻っていくのだ。

そんな社会の中で在宅ワークを続けたかったら、フリーランスデザイナーになるしかないだろう。
しかし、厚生年金目当てで会社員を選択してる私にとって国民年金になるのはキツい。

だから私は「在宅ワーク社員にさせてください!!」と会社に言う勇気もなく、周りに合わせて合わせて、また毎日片道二時間の旅を続ける生活に戻るのだろう。

そうやって元の世界のリズムを取り戻した頃、みんなも普通の生活に戻って在宅ワークの日々を昔の祭りのように懐かしむだけなのだ。年末にはそうなってんじゃないかな。

そして
「お前らあの時“もう出勤したくない”ってあんだけ言ってたじゃん!!」
と、私だけ下唇を噛み続けるのだろう。

しかしこのニカ月間の在宅ワークを通して見えた景色を忘れたくない。
妻も時短勤務になり世帯収入こそ減ったが、それ以上に夫婦で過ごす時間が増えた幸福度はほんの少しの残業代には変え難いものだったのだ。

この二か月間の生活は、今後の働き方を模索するきっかけには十分なったと思う。

Posted from するぷろ for iOS.

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